投資情報会社・フィスコが、株式市場の8月20日~8月24日の動きを振り返りつつ、8月27日~8月31日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇した。週間ベースでは4週ぶりのプラス転換となった。今週最も注目された米中両国による160億ドル(約1兆7700億円)相当の追加関税については、23日に予定通り発動された。これを受けてボーイングなど貿易関連銘柄が売られて週前半にかけて4日続伸していたNYダウは反落に転じた。23日にはNASDAQ指数も6営業日ぶりに反落した。ただ、23日まで2日間行われた次官級の米中通商協議が決裂することはなく、NYダウの調整は比較的小幅にとどまった。むしろ、元選対本部長の有罪判決、元顧問弁護士が不正行為を認めたことを受けて、トランプ大統領が弾劾を受けた場合の株式市場の急落を示唆する発言が、相場の重しとなった。
NYダウがもみ合う一方で、日経平均は24日にかけて4日続伸と小幅ながら上昇した。週初は為替の円高と中国株への警戒感から軟調な始まりで、東証1部の出来高、売買代金とも今年2番目の低水準となった。しかし、その後は為替の円安基調と上海総合指数の下げ渋りなどを受けて買い戻しが先行する形となった。21日には菅官房長官による「携帯電話料金の下げ余地」発言からNTTドコモ<9437>など携帯電話各社が下げた反面、指数寄与度の高いファーストリテイリング<9983>の上昇、年初来高値の更新するリクルートHD<6098>、セコム<9735>の上げなどが目立った。個別では、1兆円の不適切融資が報道されたスルガ銀行<8358>の急落もトピックスとなった。
今週の日経平均は、上値の重さを意識しながらも堅調な展開になることが見込まれる。行方が不透明な米中貿易摩擦、上海総合指数の推移などが懸念材料として引き続き横たわっている。8月3週(13-17日)の投資主体別売買動向では、海外投資家が3週連続の売り越しとなり、売り越し額も3449.6億円と4月以降では6月第3週に次ぐ売り越し額となった。先物との合算では6885億円の売り越し規模に膨らむ。中国情勢が不透明な中、アジアを対象とするファンドでは、日本株の売りによるヘッジを行っているとの見方もあることは懸念材料だ。