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リーマン・ショック以降、中国の経済政策はどう変遷してきたか

 このように習近平体制は経済のアクセルとブレーキを交互に踏み込むことで経済の浮沈を掌握し、それが世界経済にも大きな影響を及ぼしてきたのである。

 2017年3月にはECB(欧州中央銀行)が投資家の期待を上回る包括的な追加緩和策を発表したのに続き、日銀の追加緩和や米国の利上げが非常に緩やかなペースであることから流動性懸念が消えたほか、トランプ政権が大規模なインフラ投資や大規模減税を打ち出したことで、2017年の世界経済と株式市場は大きな上昇を見せた。中国も習近平政権が進める経済正常化政策によって内需の伸び率は緩やかにスローダウンする中で外需が支えと成り、経済成長率は加速した。

 しかし、2018年に入ると、中国当局による過剰債務解消に向けた取り組みが進み、4月にはいわゆるシャドーバンキング(影の銀行)規制の強化策を発表。さらに米中貿易摩擦問題によって頼みの外需にも懸念が出てきた。これによって中国国内に進出する外資系企業の生産活動にも警戒感が広がりを見せ、それらが国内消費にも悪影響を与え、GDP成長率は低下し、株価にも悪影響を及ぼしている。

 もちろん習体制は手をこまねいているわけではなく、7月23日には経済成長を促進するための金融緩和と財政政策を打ち出し、再びアクセルを踏み込んでいる。

 これまでがそうだったように、この習体制主導の景気刺激策によって、年後半の中国経済は浮上し、株式市場の流れも徐々に変わっていく可能性は十分ある。そして中国側の不利益ばかりが目につく米中貿易摩擦も解決に向かえば、世界経済にとって大きなプラスとなることも期待される。

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