将来の生活に備えて株式投資で資産を運用している人やこれから株式投資を始める人にとって、どんな銘柄を購入すべきなのかは重要なテーマだ。長期の株式投資にもさまざまな手法があるが、10年で元本を60倍にした個人投資家兼USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)マーケターの秋山哲氏は、著書『お金からの解放宣言』(かんよう出版)で、“安定成長株”への投資に注目している。安定成長株への投資の魅力と銘柄の見つけ方について、秋山氏が解説する。
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国内の上場企業は現在3600社程度あるが、その中でも安定成長株への投資は、確実性の観点から適しているのではないか。
株の分類には幾つかかの切り口があるが、一般的にはグロース(成長株)とバリュー(割安)で分類されることが多い。成長株とは文字通り企業の業績が成長している株で、割安株とは企業の純資産や業績に対して株価が割安な株だ。投資に適しているのは、成長していて割安な株、要するに2つの要素を持っている株だが、より重視すべきは、企業の成長性だろう。
株価は短期的には市場参加者の思惑や心理で上下するが、長期的には企業の業績に帰結するもの。成長していく企業に投資をすれば、非現実的な高値で購入しない限り、株価は長期的にはその業績に見合った水準まで上昇していくはずだ。著書『お金からの解放宣言』でも説明しているが、そうした安定成長企業の見つけ方は3つのステップに分解できる。