「生鮮食品を買って自宅で調理」は家計を圧迫
60歳以上がよく買うものばかりが、どんどん値上がりしているということだ。
具体的に見ると、魚介類や野菜・果物などの生鮮食品が食料全体に占める消費ウエイトは、39歳以下の11%に対し、60歳以上では21%と2倍近い。
「生鮮食品の価格は、4年間でプラス18.3%と大幅に上昇しています。中でも生鮮魚介のイカは69%、鮭は40%も値上がり。野菜でも、ながいもが42%、じゃがいもが33%など、身近な食材が高騰しているのです。
一方、同じ食事にかけるお金でも、若い世代がよく利用する外食の価格はプラス5.9%に過ぎず、上昇率に大きな差がある」(同前)
同じように1日3食をとっていても、「生鮮食品を買って自宅で調理する」という自炊習慣が当たり前となっている世代は、確実に家計を圧迫されている。
「同様に住居についても、92%が賃貸住宅で生活している39歳以下の世代に比べ、持家率の高い60歳以上は、住宅リフォームを含む設備修繕・維持費用の値上がり(4年間でプラス6.1%)の煽りをもろに受ける。賃貸物件の家賃の上昇率がマイナスに進んだ(値下がりした)こともあり、その差はどんどん広がった」(同前)
皮肉なことに、現役時代にコツコツとローンを返済して手に入れたマイホームの存在によって、“値上げ”による打撃を直に受けている格好だ。
※週刊ポスト2018年9月7日号