「高齢者の負担を増やそう」という流れが鮮明に
他にも交通費を見ると、タクシー代の上昇率が4%となっている中、60歳以上はその消費ウエイトが交通費全体の11.4%。39歳以下の6.2%に対し、約2倍になっている。これも高齢世代を直撃している値上げです」(同前)
“たまたま60歳以上がよく買うものが値上がりしている”という話では済まされない。政府は“今の年寄りは恵まれすぎている”とばかりに、高齢者への負担増を相次いで打ち出しているからだ。
75歳以上の後期高齢者に対し、現役世代と同様の「窓口での医療費3割負担」の対象を拡大。8月に入り、政府がそう検討していることが報じられた。
「現役世代の過剰な負担を解消する」という世代間対立を煽って負担増を正当化するお決まりのロジックが持ち出されているが、ジャーナリストの荻原博子氏はこう喝破する。
「8月1日から、介護保険を使用して各種サービスを受ける際、年金収入が340万円以上ある人は、それまで2割だった自己負担額が、3割に引き上げられました。結局は、“取れるところから取る”という発想ばかりで、今は高齢者の負担をどんどん増やそうという流れが鮮明になっている」
※週刊ポスト2018年9月7日号