ただでさえ、総務省の家計調査では「年金に収入源を頼る高齢夫婦世帯は月5万円の赤字」に陥っているという実態が明らかになっている。そこに追い打ちをかけるのが、来年10月に予定されている消費増税だ。
昨年10月に公表された大和総研の試算によると、片働きで年収500万円の4人世帯では、消費増税によって可処分所得は年間約4万6000円減少する。60歳以上世帯でも数万円の負担増になるだろう。インフレ、保険料アップ、年金減に、増税まで加われば、「老後破産」が一気に現実味を帯びてくる。ジャーナリストの荻原博子氏はこう指摘する。
「立て続けに襲ってくる負担増を意識することで、高齢者の財布の紐は固くなる一方です。高齢者を狙い撃ちにしたような値上げや負担増が続けば消費にお金を回す人は減り、結果的にさらなる不況を招きかねない」
※週刊ポスト2018年9月7日号