常に大規模な自然災害と隣り合わせの日本では、災害が起きることを前提に暮らしていかなくてはならない。
被災からの再起を図る上でとりわけ重要となるのが「お金」だが、“手助け”となる制度もあることが十分に意識されているだろうか。
岡山、広島、愛媛を中心に200人以上の犠牲者を出し、記録的な被害をもたらした西日本豪雨。発生から1か月半が経った8月下旬時点でも、2000人以上が避難所生活を余儀なくされている。
自宅に戻れた人の中にも、怪我をしたり、住宅に被害を受けたりしたケースは多く、「被災者」の数は何倍にも膨れあがる。その人たちが直面するのが、「お金」の問題だ。被災男性がつぶやく。
「氾濫した土砂が流れ込んできて、家の中を目茶苦茶にしてしまいました。水が引いた後に見ると、10cm近く土砂が積もっている。自分1人でなんとかできるわけもなく、土建業者に10万円ほど支払って撤去してもらったんです。バカにならない額ですが、家が流されてしまうようなことに比べれば、ねえ?
ただ後日、室内の被害状況のわかる写真や業者の領収書があれば、特例的に自治体が費用を負担する方針を出したと聞いたんです。大慌てだったものでレシートも残していなかった。そういう制度があると知っていたら……と悔やまれてなりません」