ちなみに、2018年3月時点で後納を利用した人は約23万人で、一人当たり平均7.7か月分を納付し、約1万2500円の年金増額を果たしているという。
後納のメリットは老後の年金を増やせるだけではない。支払った保険料は全額が社会保険料控除の対象になるので、所得税や住民税、国民健康保険料も減らせる効果があることだ。
過去5年間にビジネスが不調で年金保険料を払えない時期があったが、今年は収入が増えていて税金が上がりそう、という個人事業主やフリーランスにはもってこいのシステムとなる。
この後納は期間限定で認められている制度であり、2018年9月末で終了するので、利用したい人は急ぐ必要がある。申込書は日本年金機構のウェブサイトでダウンロードできるので、必要事項を記入して最寄りの年金事務所に提出するか郵送すれば、納付書が送られてくる。
文■森田悦子(ファイナンシャル・プランナー/ライター)