投資

株式投資とギャンブルを分ける最大の違いは

株式投資とギャンブルを決定的に分けるものはなにか

 将来の生活を考え投資を検討しているものの、投資は損をすることもあり、まるでギャンブルのように思えてなかなか踏み切れていない方も多いだろう。10年で元本を60倍にした個人投資家兼USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のマーケティング・ディレクターの秋山哲氏は、著書『お金からの解放宣言』(かんよう出版)の中で、投資とギャンブルには決定的な違いがあると説明している。秋山氏にその違いを解説してもらう。

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 ギャンブルは参加者の勝ち負けの合計が必ずマイナスになります。公営ギャンブルである競馬、競輪、オートレースなどは関連法で参加者の賭け金の75%を還元することが定められています。競馬で1000円を賭けたら平均的には750円が還元され、250円の損失を被るということです。残った750円で再び賭けたら、平均的には563円になります(750円×75%)。公営ギャンブルではないので還元率は法律で定められていませんが、パチンコの場合は還元率がおよそ85%で設定されており、全体としては15%程度の損失を被ります。

 宝くじについては国民的ギャンブルと言えるでしょう。宝くじの購入経験者は76%で最も参加率が高いのですが、還元率はギャンブルの中でも最も低く46%になっています。宝くじを購入されたことがある方も多いでしょうが、ご自身が過去に購入した金額と当せんした金額を思い出してみれば、低い還元率を実感できるのではないでしょうか。宝くじの購入理由は、宝くじ公式サイトによると当せん金目的が62%で1位になっています。販売場所が多く購入が簡単にできることや、信用のあるみずほ銀行で販売していることなども影響していると考えられますが、これほどまでに多くの方が低い当せん確率に賭けて購入している状況は投資家としては残念です。

 詳しくは著書の中でも述べていますが、他方で投資は、全体として参加者全員に追加の金銭をもたらします。投資にもさまざまな種類がありますが、株式や投資信託といった代表的な金融商品は、長期視点に立てば、原理的、全体的に参加者(投資家)全員が儲かることも可能な仕組みになっています。

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