トルコリラ、インドネシアルピア、アルゼンチンペソ……と、8月以降、新興国通貨の急落局面が相次いでいる。こうした中で、スワップ金利狙いで新興国通貨をトレードしているFX(外国為替証拠金取引)トレーダーの中には、不安を感じている人も少なくないだろう。このような状況でトレーダーはどのような姿勢で相場と向き合うのが良いのか。FXのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが、自身の見通しを解説する。
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8月10日のトルコリラ急落に続き、8月末にはインドネシアルピアが急落し、1998年のアジア通貨危機以来の安値を付け、為替介入が入りました。アルゼンチンペソも政策金利を60%にまで上げたにもかかわらず、下げ止まらず下落しています。
ちなみに、私はこれまで南米を2回ほど旅行したことがありますが、アルゼンチンにも訪問しています。
その際、アルゼンチンに10年以上住んでいる日本人の女性がガイドをしてくださったのですが、その方が「日本よりもアルゼンチンの方がずっと住みやすい」と言っていました。
アルゼンチンは過去に何度もデフォルトを経験していますが、アルゼンチンに住まれている方々は「国がデフォルトしようと関係ない」という雰囲気でのびのび生活されているような印象を受けました。外から見る印象とはまた違った現実が存在することを感じました。
そしてこの話からお伝えしたいことは、新興国に関する様々なネガティブな報道に振り回されすぎないことが大切だということです。情報に振り回されることなく、ルールに従いトレードを続けることが利益につながると私は考えています。
高金利通貨の魅力にひかれてトルコリラ円相場で買いポジションを長期的に持っている方は、例えば「1トルコリラ=10円を割るのではないか」といった専門家の意見を聞いて不安になることがあるかもしれません。しかし、そういった情報にただ怯えるのではなく、どのような状況にも耐えられるよう、しっかりと資金管理を徹底した上で冷静にトレードを続けることが重要です。