「もしもし。NTT取引先の○○○と申します。今日は耳寄りのお話がありまして。今、電話代やネット料金が高いと感じていませんか? 今日契約すると毎月1000円は必ずお安くなります。それにはですね…」
このようなセールストークから始まる電話を受けたことはないだろうか。実はこれ、国民生活センター等に寄せられている「光回線サービスに関するトラブル」を招く可能性が高い要注意電話なのだ。
国民生活センターに寄せられているNTT東日本・西日本の光回線サービスの卸売(光コラボレーション)に関する勧誘の苦情は多く、昨年の相談件数は1万4000件近く。年齢的に半数が60才以上だ。同センターの内藤奈津樹さんが言う。
「『NTTのプラン変更だと思って手続きをしたら、別の会社との契約に変えられていて、NTTは解約されていた』という苦情が多数です。こうした勧誘電話は『こちらはNTTの取引先の○○です』といった具合に、NTTの代理店、関連会社を名乗ったり、『NTTの光回線を使ったサービスを提供しています』というセールス文句で、消費者にNTTのサービスの勧誘だと誤認させる可能性が高いです」
ほかにも、「(NTTでなく)別業者だったので解約したいが、連絡先がわからない」「光回線の変更が必要であるかのような勧誘により契約してしまった」「安くなると言われて契約したら、説明されていないオプションが入って、高額な請求を受けた」などもある。
トラブル急増の背景には、光回線サービスに過剰なまでの数の卸売業者が参入したことがある。
NTT東日本・西日本が同サービスを開始(2015年2月)して以来、その卸売を受けた事業者が多数参入し、その数は今や600社超。彼らは、光回線にプロバイダーや携帯電話等の独自サービスを組み合わせ、さまざまな料金や契約形態で販売している。