人生100年時代だからこそ、リタイアしてからも稼いで資産を殖やしていかなければならない。そこで大切なのは「何を選ぶか」ではない。その投資を「いつ始めて」「いつ終えるか」の判断が、人生設計を左右する。
70代になると、「攻めの投資」から完全に卒業するタイミングが近づいて来る。ファイナンシャルプランナーの森田悦子氏が解説する。
「年金以外の収入がなくなるこの年代の投資は、リスクを限りなくゼロに近づけるのが原則です。投資信託の中でも外国株や外国債中心で組まれている商品は為替にも影響されるので、もし保有しているなら利益の確定を検討しましょう」
では、大企業などの「安定株」はどうか。
「国内の大企業の株の値動きは比較的安定しており、株主優待や配当など、株価が下落したとしても得られる実利がある。たとえば日産自動車やJTは配当利回りが5%を超えますし、銘柄によってはさまざまな株主優待を受けられるのも魅力の一つ。外食産業では、すかいらーくの食事券などが優待利回りが高くお得感があります」(同前)
「J-REIT」(不動産投資信託)も選択肢の一つだという。
「投資家から集めた資金でオフィスビルやマンションなどの不動産を購入し、賃貸収入を投資家に分配する金融商品で、東証に上場していて株と同じように売買できます。10万円以下で手軽に投資できる商品もあり、平均配当利回りは4.2%ほど。値動きが安定しているものを選んで、じっくり保有すれば分配金が着実に積み上がっていきます」(同前)