9月20日に投開票された自民党総裁選で、安倍晋三首相(63才)が石破茂元幹事長(61才)との一騎打ちを制して3選を果た
した。来年11月20日には、首相在籍日数で、歴代1位の2886日の桂太郎(1848~1913年)を抜き、日本の憲政史上で最長の政権が誕生することになる。
任期満了は2021年9月30日。安倍首相とともに歩む「これからの3年」で日本社会は重大な局面を迎えることになる。最大の要因は世界最速のスピードで進む少子高齢化だ。
東京五輪が開かれる2020年には団塊の世代が70代に突入。介護や年金がさらなる重しになり、五輪後は景気後退や、空き家の増加が懸念される。
教育分野では1980年代に大量採用された教職員が大量退職し、「ゆとり世代」の教員が中心となる。また、大学入試センター試験が廃止され、新テストが導入される。
「これから3年間で私たちの生活は大きく変わります」と指摘するのは、政治ジャーナリストの鈴木哲夫さんだ。
「来年の改元から東京五輪まではお祭りムードが続くでしょうが、“祭りの後”は大変な時代になります。少子高齢化が続いて税収が激減し、2040年くらいには500近い自治体が立ちゆかなくなると予測されます。年金、介護などの社会保障や働き方、生きるための価値観まで、今までとはガラリと変わる世の中になります」
安倍首相の手腕に過剰な期待は禁物だ。たとえばこの夏は誰もが猛暑の脅威に見舞われたが、安倍首相は地球温暖化防止の「パリ協定」に本気で取り組まない。核兵器廃絶や沖縄の基地問題への取り組みも決して熱心ではない。