「デートのお会計問題」は、いつの世も男女の間に横たわっている。「奢りたくなる女性になろう」「割り勘にされる女性とは」などという話題が、いつもネット上で繰り広げられている。世界中から富裕層が集まるシンガポールでは、「絶対に女性に財布を開かせない」男性たちがいるという。『シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)の著者で、当地に住むファイナンシャル・プランナーの花輪陽子氏がリポートする。
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デートでは男性の奢りが当たり前なのか、割り勘でもいいのか──バブル時代から(それ以前から?)、繰り広げられてきた議論でしょう。日本では、女性の社会進出が進み女性もしっかり稼ぎはじめたこともあって、「割り勘デート」も当たり前になっているのではないでしょうか。
しかし、私が住むシンガポール、その中でも中華系男性は違います。中華系の男性は、とにかく見栄っ張りで“メンツが命”。ビジネスパートナーや友達などと食事に行っても、メニューの中から必ず高いものを選び、女性には絶対にお金を払わせないのが特徴と言えます。そこでは、日本でよくある「女性が一応財布を出すポーズをする」という“お約束”もありません。女性が「私も半分払います」と言おうものなら、その方のメンツを潰すことになってしまいます。
日本人主催のホームパーティーに行く際の手土産を、中華系の男性と一緒に選んだのですが、シンガポールでは2万円程度もする一升瓶の大吟醸の日本酒を買っていました(もちろんお代は払ってくれました)。高いものは“正義”なのです。余談ですが、日本では手に入りにくいウイスキーなども、シンガポールではお金に糸目さえつけなければ入手可能です。
中華系男性は「女性の荷物を持つ」「ドアを開けて待つ」といったレディーファーストにも慣れており、率先して子供の世話をする人も多いので、いまや欧米人と並んで世界中の女性から大人気となっています。