9月から10月はじめの株価上昇により、日経平均株価はバブル後の最高値を更新。しかし、アメリカ市場の大幅下落により、日本株も急落する状況となっている。株価が乱高下する中、運用してきた資産がある人は「いつ売るか」が悩みどころとなるだろう。ファイナンシャル・プランナーの清水斐氏がアドバイスする。
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「天井で売りたい」──株や投資信託で運用してきた人は、皆そう考えるものでしょう。しかし、「天井」つまりベストのタイミングは、誰にもわかりません。今後また上がるかもしれませんし、保有したまま下がれば「あの時、売っておけばよかった」と思うかもしれません。
では、運用資産の売却を考えているときは、どうするのが賢いのでしょうか。特に分散投資・積み立て投資をしてきた資産の売却について考えてみましょう。
売却に「ベスト」のタイミングはわかりませんが、「ベター」なタイミングはあります。それは「もうすぐ使う可能性がある」というタイミングです。具体的には「2年以内に使う予定があるか」がポイントになると思います。
投資していて避けたいのは損が出ることです。今後もっと上がる可能性があっても、いま利益があるのであれば「ベター」なタイミングであると考えましょう。「2年」という期間はリーマン・ショックのような大きく値下がりするリスクを考慮した期間です。それ以上長く運用を続けられる期間があれば、仮に大きく下がっても回復を待つことができるからです。
「もうすぐ使う」金額分だけを売却して利益確定させ、直近では特に使う予定がない資産は売却せずに保有しておけば、長い目で見れば「残した分が次なる利益を生む」可能性が十分に出てきます。
「売却後の資産バランス」も考慮
複数の銘柄や投資信託に投資している場合は、何を売却するかもポイントになります。特に国内外の債券・株式など複数の資産に分散投資している場合、運用益もそれぞれ。中には含み損が出ている資産もあるかもしれません。
そんな時、大きく含み益が出ている資産はもっと増える気がして持っていたい、逆にあまり含み益が出ていない商品や含み損の商品は手放してすっきりしたい、と考えてしまいがちです。が、その方法はお勧めできません。