そもそも分散投資は「どれが大きく増えるか、増えないか分からないのでバランスよく投資してリスクを抑える」投資手法です。一部を売却して残りは運用を続ける場合も、分散投資が基本になります。
例えば、4つの資産に25%ずつ、各100万円分散投資していて、現在の価格が120万円、115万円、105万円、102万円だとします。引き続き同じリスクを取るならやはり25%ずつにすべきなので、仮に全体で40万円ほど利益確定をしたいのであれば20万円、15万円、5万円、2万円を売却して100万円ずつで分散投資を再スタートすべきなのです。
つまり、大きく増えている資産を多く売却するということになります。「これはもっと上がるんじゃないかな」と気持ちでは引っかかるところもあるでしょうが、分散投資の考え方では「増えたものを比較的多く売るべき」なのです。
売却は購入よりもタイミングが難しく、「これが正解」という方法はありません。しかし、投資は「増やしたお金を有効に使うため」に行うもの。含み益が出ただけで喜ぶのではなく自分に合った賢いタイミングで売却して、有意義に使っていただきたいと思います。
◆しみず・あや/CFPR、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー、証券外務員I種。30歳でファイナンシャル・プランナーとして独立、長野・東京で活動中。主に30~40代の「普通のくらし」を求めている方への「自分がお客様の立場だったらどういう判断をするか」を軸にお金の持ち方・つかい方のアドバイスに力を入れている。ライフプラン作りから資産運用まで老後にわたる継続的なサポートすることを事業理念として活動している。HPはhttp://www.fp-saku.com/。