「投資」と聞くと、「知識が必要で難しい」というイメージを持つ人や、損するリスクを考えると、二の足を踏んでしまうという人も少なくない。しかし今では、とても簡単に投資ができ、税金面でもお得な仕組みが整備されている。
それが、今年1月からスタートした「つみたてNISA」という国が作った制度だ。20~50代の、幅広い年代の投資未経験者や初心者を中心に人気を集め、開始から3か月で口座開設数は50万を超えた。
人生100年の時代だから、老後生活を充実させるには資産形成が欠かせない。預金を銀行に寝かせていても利息は“雀の涙”だからこそ、賢い人から始めているのだ。
そもそも、つみたてNISAとは、「少額からの長期積み立て投資」を支援するための非課税制度のこと。毎月一定額を対象の金融商品に積み立てていくのが原則で、商品は主に「投資信託」に限られる。
投資信託とは、自分のお金を運用の専門家に預けて、手数料を払うと自分の代わりに専門家が株式や債券などに投資・運用を行ってくれる金融商品のこと。運用して得た利益は、預けた額に応じて自分に分配される仕組みだ。ファイナンシャルプランナーの鈴木さや子さんが話す。
「つみたてNISAの最大のメリットは、投資で得た運用益や分配金が課税されないことです。通常なら約20%の税金がかかるため、10万円の利益なら受け取れるのは8万円だけ。しかし、つみたてNISAを利用すれば、そのまま10万円が受け取れます。
非課税投資枠は年間40万円までで、期間は最長20年。20年間フルに活用した場合、800万円分も非課税で運用できることになります」
非課税枠を最大限利用するなら、毎月の積み立て額は3万3000円。ただし、多くの金融機関で「月1000円から」と少額から投資可能だ。
この9月30日からは、楽天がつみたてNISAの投資に「楽天ポイント」を使えるようにサービスを拡大した。投資の普及に合わせて新しい動きが続々と始まっており、今後ますます初心者にとって投資しやすい環境が整いそうだ。