「もちろん投資ですから、“絶対に損しない”とは言えません。しかし、長期で保有し投資対象を世界中に分散すれば、損する可能性は大きく下がります。相場は、短期では上下に変動を繰り返しながらも、長期で見れば、世界経済の成長に伴い、上昇することが見込まれるからです」(前出・鈴木さん)
しかも、つみたてNISAには、さらなる得する“からくり”があるという。イデア・ファンド・コンサルティング代表の吉井崇裕さんが話す。
「投資において、相場の変動を読むのは至難の業です。また、投資していると、つい相場に一喜一憂してしまい、心理的ストレスも大きい。しかし、つみたてNISAのように毎月一定額ずつ購入する手法なら、相場がどれだけ変動しようと、一切気にする必要はありません。
つみたてNISAは、投資額が毎月一定なのに対し、投資信託商品の価格は変化するため、その都度、買える量は異なります。そのため、相場の下落時は安値で多く買えて、価格が割高になる相場の上昇時には、少なく買うことができる。自動的にそのあたりを調整できるわけです。おしなべて見れば平均購入価格がぐっと下がることになり、利益が出る確率が高まるのです。
その仕組みがわかっていれば、大きな金融危機が起きてもうろたえることなく、むしろ“相場下落の大セール”と捉えることができます。気にせず買い続ければ、後に相場が少し戻っただけで、大きな利益を得られるのです」
また、積み立て投資は、運用で得た利益も元本に加え、翌年自動的に再投資に回して運用するため、それにまた運用益が付く「複利」という効果も大きい。
「最初の数年は、複利効果はそれほど大きくありませんが、10年目くらいから“雪だるま式”に利益が膨らんでいきます。複利効果は時間を味方に付けた誰でもできる必須の投資法。これを利用しない手はありません」(吉井さん)
※女性セブン2018年10月18日号