10月2日、来春入社予定の学生を迎える内定式が全国の企業で行われた。ここ数年は企業の人手不足を背景に、学生側に有利な“売り手市場”が続いているが、それでも人気企業に就職するのは大変だ。そうした中で強力なコネを使って入社する学生がいるのも、また事実。中には想像もつかないようなルートで就職が決めた人もいる。都内在住のOさんは、料理教室に通ったことが功を奏したのか、娘をメガバンクに入社させることに成功したという。
Oさんは、夫の仕事の都合により、2度にわたって海外生活を送った女性。英語が堪能な夫とは対照的に、Oさんは英語がまったくできず、現地では不便な生活を送ったが、その代りに得たのが“戦友”と呼ぶ友人だったそうだ。Oさんが語る。
「私の夫が初めての海外転勤を命じられたのは、日本人などほとんど見かけないヨーロッパの小国でした。会社から指定された住まいは、街で一番治安が良い地区にあるアパートで、住民は全員、日本の企業の駐在員でした。
異国の地の生活ということで、駐在員同士の横の繋がりは非常に強く、とりわけ女性陣は、家族が仕事や学校に行ってしまうと話し相手がいないので、いつも一緒にいました。新しくやって来た人や、日本へ帰る人が出る度に、みんなで集まってパーティーをしたものです」(「」内Oさん。以下同)
Oさんが初めて海外生活を送ったのは1990年代初めのこと。当時はインターネットなどなく、日本のテレビ番組が録画されたビデオテープが最高のお土産だったという。そんな時代に海外に派遣されていたのは、一流企業のエリート社員ばかりだ。当時の結束の強さは今でも続いているが、中には大出世を遂げたメンバーもおり、セレブ生活を満喫している者もいるという。