投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が10月15日~10月19日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は下げ渋りか。米長期金利や株価は不安定な動きを続けており、足元ではリスク選好的なドル買いは抑制されている。米10年債利回りは2011年以来の高水準となり、企業収益の悪化への懸念からNYダウが急落し、世界的株安の様相を呈しており、引き続き米長期金利と株価にらみの展開となる見通し。
米財務省は今週中に半期毎の為替報告書を公表するとみられている。中国を為替操作国に認定するか注目されているが、一部報道によると、米財務省スタッフはムニューシン財務長官に対して「中国は為替操作をしていない」と報告したようだ。国際貿易環境の悪化を懸念した円買いは縮小していないものの、米国(財務省)が中国を為替操作国と認定しなかった場合、リスク選好的なドル買い・円売りが活発となりそうだ。
ただ、トランプ大統領は連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ継続方針に批判的な発言を繰り返しており、大統領の発言が市場に与える影響を注視する必要がある。17日に公表される連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で利上げ継続を正当化する見解が含まれていた場合、中央銀行への政府介入を警戒して、リスク選好的なドル買いが拡大する可能性は低いとみられる。
【半期毎の為替報告書公表予定】
米財務省は半期に一度の為替報告書を公表する予定(15日が議会提出期限)。中国を為替操作国と認定するかどうか注目される。今回も為替操作国に該当する国はないとの見方が広がっているが、米中貿易摩擦の早期解消への期待が台頭しなかった場合、国際貿易環境の悪化を懸念した円買いが広がる可能性がある。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(17日公表予定)
FRBは日本時間18日未明に9月25-26日に開催したFOMCの議事要旨を公表する。12月利上げの手がかりを得られるか注目される。2020年まで利上げスタンスが継続するか、議論の内容が注目される。