外貨を買いからでも売りからでも入れるのがFX(外国為替証拠金取引)の魅力のひとつだが、「米ドル円相場に安易に売りから入る」トレードに疑問を呈するのは、これまでFXで億単位の利益を出してきたカリスマ主婦トレーダーの池辺雪子さんだ。その真意について、FXにおける「スワップ金利」の観点から、わかりやすく解説する。
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米ドル円相場(以下ドル円相場)は、ここ最近上昇傾向が続いていましたが、そのような中、売りポジションを新規で持たれる方も少なくないようです。
ただ、私としては「なぜ皆さん、売りを持ちたがるのだろう?」と不思議に思います。
デイトレなど短期で売りを持つ場合は別ですが、売りで入って相場が上昇し、ポジションをホールドする場合、含み損を抱えた状態で日々必ず金利を支払うことになります。仮に資金管理ができていたとしても、含み損をかかえた状態で、毎日少しずつ確実に損失が出るのを見続けて待つのは辛いと思います。
しかも、支払う金利の金額も今後上がることが想定されます。アメリカは今、利上げの局面にあります。FRB(連邦準備制度理事会)は9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で利上げを決定し、市場コンセンサスとしては、今年はあと1回、2019年は3回、2020年は1回の利上げが想定されていて、利上げはまだ継続される見込みです。
くりっく365で言えば、売りポジション1万通貨に対して1日約80円の金利支払いになっていますが、今後その価格が上昇するのは間違いないでしょう。
「そんな状況でなぜ売りを持ちたいと思うのだろう」と疑問に思うわけです。
もしあなたがドル円相場で売りから入りたいと考えているのであれば、慎重になられた方が良いでしょう。