旅行や出張で初めて訪れる街に泊まる際、注意しなくてはならないのが宿の場所。東京で暮らす人間は「駅前=繁華街」と思いがちですが、地方へ行くと、駅とその街の繁華街が離れていることは珍しくありません。駅前に宿を取れば移動は何かと楽ですが、繁華街を見ずにその街を去るのも悔しいもの。その街の名前が付いたJRの駅が主要な繁華街から離れている街を紹介しましょう(中部・近畿地方編)。
【名古屋(愛知県名古屋市)】
中部地方最大の都市で、日本三大都市の1つにも数えられる名古屋。駅付近の「名駅」には名鉄百貨店や高島屋、地下街などがあり、ターミナル駅として大変多くの人でにぎわっていますが、名古屋市の繁華街といって真っ先に思い浮かぶのは、SKE48の名前の元にもなった栄でしょう。ただし、勢いという点では名駅に分があり、リニア開業でさらにその傾向が加速することは確実。栄と名駅の地価の差も急激に縮まっており、将来的には逆転もあるでしょう。
【富士(静岡県富士市)】
JRの駅、新幹線の駅、繁華街、官庁街がすべてバラバラという珍しい街が、富士山のふもとに広がる富士市です。新幹線の新富士駅はJR富士駅と離れており、駅前はただの国道。富士駅の周りはそれなりに栄えていますが、市を代表する繁華街は、隣駅の吉原駅で岳南鉄道に乗り換えて2駅の吉原本町駅付近です。市役所ほか官庁街は吉原本町からはやや離れており、車でないと不便な場所。泊まる場所に悩む街です。
【新潟(新潟県新潟市)】
上越新幹線の終着駅にして、日本海側の街としては唯一の政令指定都市の新潟。駅前にはビルが立ち並んでいて多くの人でにぎわっており、徒歩5分ほどの万代地区も栄えていますが、夜の街を楽しむなら「古町」まで足を運んでみて下さい。駅前通りをまっすぐ進んで、信濃川にかかる名橋・萬代橋を渡り、歩くこと15分ほどでしょうか。つい先日、新潟三越の撤退が決定し、空洞化も懸念されていますが、歴史ある繁華街といえば古町です。