今でも根強い人気を誇る内職(=在宅ワーク)。単なる副業にとどまらず、社会復帰のきっかけにした人や、本業さながらの収入を得ている人もいる。実践している人は、どんな働き方をしているのか。下水管工事の進行図作成の在宅ワークをしている、松岡裕子さん(仮名・43才)のケースを見てみよう。
松岡さんが在宅ワークを始めたのは2年前。子供が小学校に入学した年だった。
「ウェブデザインの仕事をしていたこともあり、出産後、ボランティアで地域のポスター作りをしていたんです。それを見た知人が、“こんなにパソコンが使えるなら、やってみない?”と、声をかけてくれたんです」
仕事は、下水管工事の進行図をパソコンで描く製図作業。発注先による半年間の研修に参加し、製図に必要なパソコンスキルを習得した。しかし、始めてみると、発注が不定期で突然連絡がくることに驚いたという。
「その日上がってきた、下水管工事の作業日報を見ながら、工事の進行を図面にまとめるのが私の仕事。依頼を受けたら、当日か翌日には納品します。“今日は来ないかな”と思って出かけると、突然連絡が来ることも。そういう時でも“〇時に帰宅してから取りかかるので、△時間後になります”と伝え、仕事は断らないようにしています」