しかし、その後の動向は不透明だ。前期決算での売上高と当期純利益を比べた売上高利益率を見ると、ソフトバンクはNTTドコモとほぼ同程度で、利益面などでも特段の差別材料は見られない。しかも、NTTドコモ、au、ソフトバンクの大手3社に加えて、楽天が携帯電話事業に本格参入する予定であることに加え、政府が携帯電話料金の値下げを要望するなど、携帯電話業界の経営環境はさらに厳しさを増すことが確実視される。
そこで注目されるのが、親会社であるソフトバンクグループの孫正義会長兼社長の次の一手だ。私は、ソフトバンク株の人気をつなぎとめ、株価を維持するための切り札は、携帯料金が割引になるなどお得感のある株主優待や、NTTドコモに負けない高い配当を打ち出すことしかないと見ている。果たして、孫氏はどんな手に出るのか、その動向に注目しておきたい。