消費税アップのためには株価を下げるわけにはいかない
3つ目は「日銀のETF(上場投資信託)購入」です。アベノミクス相場に乗って日経平均株価は上昇し、2015年に20,000円を突破しました。そしてそのまま2016年には消費税を10%に上げる方向で政府は動いていました。
ところが原油価格が大幅下落し、オイルマネーが株式市場から流出し、2015年から2016年にかけて日経平均株価は約6,100円も下落しました。結果、消費税アップも延期されました。
そして政府は現在、「何としてでも2020年のオリンピック前に消費税アップを実現したい」ということで動いているわけですが、消費税アップを実現するために株価を下げさせたくないという思惑が見られます。
そこで日銀が買い支えに入ってきているわけですが、消費増税を実現するまでの間にETF購入をやめてしまう、ということは考えづらいのではないでしょうか。
そうした分析から、日経平均株価の下値は限定されるものと考えられます。
以上、3つの理由から、私は今年の年末にかけて日経平均株価は上昇基調が続くと見ています。もちろん、常に上がりっぱなしということは考えづらいので、資金管理を徹底した上で、株価が下がったところを買いで入る、押し目買いのスタンスでトレードを行うようにするのがよいでしょう。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)。