そして運用益が非課税になる点も見逃せない。イデア・ファンド・コンサルティングの吉井崇裕さんが話す。
「投資信託などでお金を運用すると、通常、運用して得た『運用益』に対して約20%の税金がかかりますが、イデコならこれがかかりません。
たとえば、夫が月2万3000円、妻が月2万円を20年間積み立てているBさん夫婦が、年3%の利回りで運用した場合、20年後は元本1032万円に対し、夫婦の最終積立額には運用益376万円がプラスされるので約1408万円になります。
本来ならば、運用益に課税される約76.5万円が引かれてしまうのですが、イデコならこのお金も課税されません」
受け取り方は「一括」と「分割」の2通り
この運用益の非課税メリットに加え、掛け金の所得控除の節税分を足すといくら得するだろうか。
Bさん夫婦の場合、20年間の所得税・住民税の節税額は合計182万円。積み立てによる節税額の約76.5万円と合わせると、約258.5万円も得する計算になる。
「イデコがお得なのは、『積み立て運用』の効果も期待できることです。ただ漫然と預金していても、節税どころか、お金は1円も増えません。しかし、イデコで積み立てれば、Bさん夫婦の場合、20年後には最終積立額約1408万円も手元に残る(山中さんによる試算)。何もしなかった場合と比べると558万円の差です(図参照)」(吉井さん)
イデコは、受け取る時も優遇措置が用意されている。山中さんが語る。