生命保険に支払う保険料は世帯平均で年38万2000円。1か月分の給料がまるまる飛んでいくほど高額で、“保険貧乏”に陥る家庭も少なくない。もしもの時に備えるためとはいえ、保険の過剰加入は家計を苦しめる。では、どんな保険を選べばよいのだろうか。
まずは、保険会社に支払った「保険料」がどのように使われ、どれくらい加入者に還元されるのか、その仕組みを知ることが大切だ。『「保険のプロ」が生命保険に入らないもっともな理由』など多数の著書がある保険アドバイザーの後田亨さんが話す。
「保険料の中身は2つに分かれます。1つは、加入者が受け取る保険金や給付金などの“原資”となる『純保険料』。もう1つは、事業運営にかかる経費や人件費などを賄うための『付加保険料』です。純保険料は、加入者の死亡率や病気の罹患率がある程度一定のため、生保各社で差はありませんが、付加保険料は各社が自由に決められるため、差が生まれます」
2008年、業界初のネット生保であるライフネット生命が、初めて保険料の内訳を開示した。しかし、大手生保はいまだに未公表のままだ。
「ライフネット生命の付加保険料は大体20~30%です。大手生保では、70%を超えると推計できる商品もあります」(後田さん)