新聞を開くと、おどろおどろしい言葉が飛び込んできた。〈弟が狙う3億円の駐車場を守った兄の秘策〉〈遺産2億円の分割で弟妹を説き伏せ全不動産を相続〉──。月刊誌『家主と地主』の新聞広告に躍る相続トラブル事例だ。
不動産経営者向け月刊誌『家主と地主』(創刊は2003年)は不動産投資や賃貸経営についての情報を提供する雑誌だが、広告の強烈さは家主や地主以外の人々の間でも話題になった。
〈サスペンスドラマかと思った〉〈闇が深すぎる〉〈思わず書店に買いに行った(笑)〉と、ネット上でも大いに反響を呼んでいる。最新の11月号では〈相続の理不尽に打ち勝つ骨肉の争い解決法〉と題して、相続の大特集を組んだところ、早くも完売ペースで売れているそうだ。同誌編集長の永井ゆかり氏がいう。
「雑誌の性質上、当初は不動産関連の相続トラブルを軸に考えていましたが、取材を進めてみると、不動産が絡まないケースも少なくなかった。そのため今はあらゆる角度から幅広く相続問題を扱っています」
同誌編集部に日々寄せられる相談には、トラブルの原因、そして解決のヒントが隠されている。