「週休3日制」の実現
安倍政権が旗を振る「働き方改革」の内容もまったく違うものになる。孫氏の描く働き方を表わす、象徴的な話がある。
「社員の英語教育を実施する際に、楽天では“TOEICで最低650点以上、役員は800点以上”という基準を設けた。一方、ソフトバンクでは“TOEIC900点で報奨金100万円”というやり方を取った。尻を叩く楽天に対して、孫氏はいわば社員に“ニンジン”をぶら下げた。社員のやる気を生かす手法をとり、結果までのプロセスは問わないのです」(前出・関氏)
元ソフトバンク社長室長で孫氏の側近だった、多摩大学客員教授の嶋聡氏はこんな言い方をする。
「孫氏の関心はいま、AIやロボットに向いています。額に汗かく仕事はロボットに任せ、人間は経営や戦略、マネジメントに専念する。それが彼が思い描く働き方改革です。社員にはよりクリエイティブな仕事を任せるということです」
ソフトバンク傘下のヤフーでは、既に「週休3日」の選択制度を導入している。ロボットが代替してタスクを減らした先には、「週休3日制」の実現の構想を練っているかもしれない。
※週刊ポスト2018年11月16日号