お嬢様学校、お嬢様大学を出て外資系金融勤務の男性と結婚し、“麻布妻”となったライターの高木希美氏。そんな彼女の周りでは「夫が家事・育児に協力してくれない」という愚痴がよく聞こえてくるという。だが、そのやりとりをよく聞いてみると──。
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オリエンタルラジオの中田敦彦さんが、「良い夫やめました」と宣言して話題になりました。中田さんの主張の詳細は省略しますが、そこで出てきたのは、「ママ友が集まって、夫の“家事や育児を手伝ってくれないところ”を指摘しあうのが困る」という話でした。中田さんはかなり育児に協力的だったのに、「手伝ってくれるところ」を話すのではなく「足りないところ」の話ばかりになるようなのです。
ママが集まれば「あるある」のエピソードかと思いますが、富裕層が多い麻布妻にかかると、これがマウンティングの素材になります。
その多くが、「私は家事しなくていい」「私は妻として優遇されている」というものです。家事をテキパキこなすママは、マウンティングする側からはこき使われるメイドさんのように見えるらしく、「かわいそう」と見下すパターンが多いのです。
自称「愛され妻」の麻実さん(仮名・以下同)とランチしたときのこと──。麻美さんの旦那さんはお医者さん。コンシェルジュがいるマンションの上層階に住んでいるので、下世話な話、かなり稼いでいると噂になっていました。週に2回、火曜日と金曜日にお手伝いさんに来てもらっているそうです。
そして一緒にランチしていた香澄さんも、旦那さんはお医者さんです。香澄さん自身も耳鼻科の医師でしたが、子供ができたのを機にやめたとのこと。そんな彼女もお金には余裕があるはずなのに、節約が好きらしく、料理はほとんど家で作っているようです。ひじき、切り干し大根、肉じゃがなど、和食好きな旦那さんに合わせた作り置きが定番で、しょっちゅうお子さんを連れてスーパーに買い出しに行きます。
料理をあまりしない麻実さんは、「3食作るなんてかわいそう!」と言い始めました。この「かわいそう」は、麻布妻の定番マウンティング文句です。
麻美さん「子供もいるのに旦那さんにそんなに作らなきゃいけないなんて、かわいそう。偉いね。しかもそんなにスーパー行くんだ? うちはふるさと納税の返礼品でほとんどスーパーなんか行かないけど?」
香澄さん「作らなくていいなら確かに楽ですよね。夕飯いらないよって言われたら楽だもん」
麻実さん「えー、夕飯いらないって言われない限り作らないといけないの? ありえないね。うちはいる場合もいらない場合も前の週に要申請。まあ、あんまり家で食べないからいいんだけど。香澄さんもお手伝いさん雇えばいいんじゃない?」
香澄さん「うちはけっこう亭主関白なんですよね。確かに少しは手伝ってほしいなあ。子供をお風呂に入れるのも毎日一人だし」
麻実さん「そもそも、家庭に母親を求めてる時点で自立してないよね、経済力はあっても。旦那さんの思いやりが足りなさすぎ」