〈孫正義氏を経団連会長に〉──そんな“推薦文”が載ったのは、日経新聞のコラム「大機小機」(10月17日付)だった。
〈劇的な変化の時代にあって(中略)もはや「サラリーマン経営者」をリーダーとみなさない例が増えてきた。そこに「孫氏を経団連会長に」との待望論につながる深層がある〉
もしも「孫正義・経団連会長」が実現したら、日本経済に何が起きるか。「春闘」や「新卒一括採用」の廃止、「週休3日制」の実現など、雇用と労働の関係が大きく変わりそうとの声があるが、孫氏が手掛ける変革は経団連という組織の在り方にも向けられる。
経団連ファンドが世界を買収する
孫氏は2017年5月に「10兆円ファンド」を立ち上げるなど、世界のIT企業などに投資してきた。
『孫正義に学ぶ知恵』の著書がある作家の大下英治氏は、孫氏が会長になれば経団連自身が“投資家”としての役割を担うと予想する。
「経団連が次世代技術投資ファンドを形成し、ベンチャー企業に投資するようになるでしょう。経団連加盟企業から資金を募り、日本政府からも出資させ、孫氏自身の目利きで投資先を決める。成功すれば、その利益を出資会社に分配する。
そのベンチャーに必要な技術、ノウハウを持つ別企業のM&Aも経団連ファンドでやるかもしれない。日本のベンチャーと海外企業のマッチングを経団連が主導することもあるのでは」