「脱原発」で安倍首相と対決
孫氏が「財界総理」になれば、「総理大臣」より先に海外首脳と“会談”することも考えられる。
事実、孫氏は米・トランプ大統領の就任直前である2016年12月に、安倍首相よりも先にトランプ氏と会談することに成功している。
そのわずか10日後、来日した露・プーチン大統領は、安倍首相や経団連の面々より先に孫氏と挨拶を交わした。元ソフトバンク社長室長で孫氏の側近だった、多摩大学客員教授の嶋聡氏がいう。
「孫氏が、政治家より先にアジア首脳と会談して、アジア諸国で風力・太陽光によるエネルギーを分け合う構想をまとめる可能性もあります。
孫氏はかねてから、アジア各国をEUのように結び、風力や太陽光など再生可能エネルギーで発電した電力を各国間で共有するという『アジアスーパーグリッド構想』を打ち出してきた。
ゴビ砂漠で風力発電を行ない、その電気をシベリアを通じて北海道に、釜山経由で北九州に持ち込むという計画ですが、実現すれば『脱原発』に舵を切ることになる。安倍政権とは真逆の構想を、経団連会長として先んじて進めるかもしれない」
日本を「無税国家」に
我々がむしり取られている税金も大きく変わるかもしれない。専門誌『経済界』編集局長の関慎夫氏の話。
「孫さんは松下幸之助を尊敬し、参考にしている。孫氏が唱える『300年企業』というのも、かつて松下が唱えた『250年計画』を意識したものでしょう。その松下が提唱していたのが『無税国家論』でした。孫さんが政府の歳出削減アイデアとセットで、経団連として無税を提唱することは十分あり得ます」