もしも孫氏が経団連からの会長就任のオファーを受けたら、引き受けるのだろうか。前出・嶋氏がいう。
「本人としては『可能性はなくはない』という考えではないでしょうか。2011年11月に、経団連がまとめたエネルギー政策の提言で『原発の早期再稼働』に言及していた際、孫氏は珍しく定例理事会に参加し、反対の意見表明をしました。
この時点で孫氏は退会の意思を固めていたと思いますが、私が『内側から改革すべき』と引き留めたのです。そうした経緯もあり、もしオファーがあれば責務を果たし、従来の会長にはない手を打ってくるのではないか」
孫氏が導く先は、日本経済の大復活か大混乱か。いずれにせよ、“孫会長”の話題が持ち上がること自体に、経団連の地盤沈下が現われているのは確かだろう。
※週刊ポスト2018年11月16日号