また、2016年の調剤報酬改定によって、これまでの処方履歴を記した「お薬手帳」を持っていくと、薬代が最大で40円安くなることも知っておきたい。医療ジャーナリストの油井香代子氏はいう。
「“少しでも安く薬を処方してもらおう”という考え方で、あちこち違う薬局に行こうとすると副作用や飲み合わせの指摘が漏れるリスクもあるので、『お薬手帳』は重要です。また、コストは考えながらも、“できるだけ毎回同じところで処方を受けよう”と考えることも必要です」
ただし、ここで気をつけたいのが『かかりつけ薬剤師』制度の存在だ。薬局で所定の書類にサインして薬剤師を専任にすると毎回60~100円がかかる。
また、今年4月の薬価基準改定で236品目の薬価格が一斉に値下げされたことにも注目しておきたい。
「特に糖尿病や逆流性食道炎など生活習慣病の薬が値下げされたので、そうした持病のある人は医師や薬剤師に“同じ効果の薬が値下げされた薬のなかに含まれていないか”と相談してみるのも良いでしょう」(油井氏)
また薬局も病院と同様、時間外・深夜・休日は割高になるので「いつでも同じ値段」と思わない方がいい。
少しずつの出費が長年積み重なることで、大きな違いとなってくる。
※週刊ポスト2018年11月23日号