その意味で、後日訪れた「フォーシーズンズホテル丸の内東京」は京都とは違って、「日常」から抜けきれない感覚があった。ダイニングからは東京駅周辺が一望でき、新幹線を真上から見ることができるが、ビルに囲まれた景色とシンプルで無駄のない作りは、「仕事する大人」のための空間に思えた。
もちろん両者は同じブランドながらもコンセプトが違うし客層も違う。もし東京で「非日常」を味わいたいなら、私は日本庭園で有名な「椿山荘」のほうに行ってしまうかもしれない。
【プロフィール】こばやし・ちか/1995年生まれ。コラムニスト。明治学院大学在学中。実家は曾祖父の代から続く有名ホテル。