「電子マネー」は、レジで読み取り機にかざすだけで支払いができる電子通貨のこと。一瞬で決済が完了するため、少額の支払いでクレジットカード払いがはばかられる時や、財布をバッグから取り出すのが面倒な時に便利だ。
「カード型」や「スマホアプリ型」とさまざまな形状があり、代表的なものにJR東日本の「Suica」やセブン・カードサービスの「nanaco」などがある。カード型もスマホアプリ型も、事前に現金をチャージしたり、クレジットカードと連携させて使え、支払い額によってポイントも付与されるお得な決済方法として広く普及している。
20%還元される前代未聞のキャンペーン
3つ目の「モバイル決済」は、近年急速に広がってきた決済方法で、「タッチ式」と「QRコード式」の2種類がある。
タッチ式は、主に電子マネーやクレジットカードなどを一つにまとめて管理できる「財布」のようなもの。スマホに多く導入されている「おサイフケータイ」や「Apple Pay」などがある。これも、読み取り機にスマホをタッチするだけで一瞬で支払いが完了するが、対応する専用端末でなければ使えないという難点があった。
そこで登場したのが、「QRコード式のモバイル決済」(スマホ決済)である。スマホにアプリをダウンロードし、お店側が提示したQRコードをアプリ内で読み取ったり、自分のスマホに表示したQRコードをお店側が読み取って決済できる。アプリ画面から操作を行うため、カメラ機能が付いているスマホならどんな端末でも利用可能だ。
QRコード決済が始まったのは2年前(2016年)とまだ歴史が浅い。最初にサービスを開始したのはベンチャー企業「Origami Pay」だった。
その後、NTTドコモや楽天など大手企業が相次ぎ参入し、政府がキャッシュレス決済に本腰を入れ始めて以降は、銀行やネット企業も続々と進出。新しい分野で顧客を獲得しようと、各社が雪崩を打ってQRコード決済事業に乗り出している。
そして今年11月、政府の5%ポイント還元の増税対策に合わせ、大混戦のQRコード市場に殴り込みをかけてきたのが、ソフトバンクとヤフーが共同でサービスを展開する「PayPay」だ。