最後は高級住宅地の港区・白金台に佇む「シェラトン都ホテル東京」。ラウンジ「バンブー」はソファー席が多い上に隣との間隔も広く、自分だけの小さなリビングルームのように感じられる空間となっている。頼んだのは、オリジナルカクテルのシロガネーゼ(1580円)。ライチリキュールとホワイトキュラソー、そしてグレープフルーツの甘くて飲みやすいカクテルだ。
「バンブー」では、日替わりでジャズまたは和楽器による生演奏を楽しむことができる。訪問した夜は、サックスによるジャズの演奏だった。たまたまなのか、サックスの音色は少し暗めで渋いジャズに感じた。お客さんの会話を邪魔しないようにするためかもしれないが、生演奏を楽しもうと思って行った私にはやや物足りなさも。
後日、和楽器の日に合わせて再訪すると、琴による演奏が行われていた。弦の弾く力強さと、大きな窓一面に広がる日本庭園の景色はマッチする。個人的にはジャズより和楽器のほうが“あり”だと感じた。
夜の高級ホテルでコーヒーやお酒を飲みながら生演奏を楽しむ。とても贅沢な体験だが、ぜひ若い人たちにもホテルの楽しみ方の一つとして提案したい。
【プロフィール】こばやし・ちか/1995年生まれ。コラムニスト。明治学院大学在学中。実家は曾祖父の代から続く有名ホテル。