投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が12月17日~12月21日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円はもみ合いか。米連邦準備制度理事会(FRB)は18-19日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で、今年4回目の政策金利引き上げに踏み切るとみられ、FOMC会合に向け織り込みが進みそうだ。ただ、利上げ継続期待が低下した場合、ドル買いはやや縮小する可能性もあろう。
11月7-8日の会合では、足元の好調な経済を背景に引き締め姿勢を維持しながらも、中立的な水準への到達が速まるとの見方から、FRBが利上げ停止時期などを議論したことが議事要旨から明らかになった。その後、当局者は米景気のピークアウトや中立金利の到達に言及しており、2020年までの利上げシナリオについて引き締めペースを緩めるとの思惑が広がっており、年末に向けドル買いはやや後退しそうだ。
欧州発のリスク要因に対しては、過度な警戒は後退しているが、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は足元の経済指標の弱さを指摘するなど、ややハト派寄りに振れており、ユーロの上昇を抑制する材料となろう。また、欧州連合(EU)からの英国離脱(ブレグジット)については協定案の議会承認は困難な状況が続いており、ドル買い材料になるとみられている。
一方、米中両国は貿易交渉をスタートさせ、通商問題などを巡る両者の対立は解消に向かいつつある。これまでは、米中対立による世界経済の減速を警戒してリスク回避的な円買いが目立っていたが、今後は米中関係の改善を受けてリスク回避の円買いは縮小する可能性がある。その際は、クロス円での円売りが拡大し、ドル・円相場に対する支援材料になると予想される。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(18-19日開催予定)
18-19日開催のFOMCの会合で現行の政策金利は2.00-2.25%から2.25-2.50%に引き上げられる公算。会合終了後の声明、経済予測、FRB議長会見から来年以降の利上げペース鈍化に思惑が広がれば、ドルは伸び悩む可能性がある。
【米・7-9月期国内総生産(GDP)確報値】(21日発表予定)
21日発表の7-9月期国内総生産(GDP)確報値は、拡大基調を維持できるか注目される。同指標の改定値は、速報値から横ばいの前期比年率+3.5%とやや高い成長を維持した。確報値が上方修正された合、株高を通じてドル買いに振れそうだ。