嫁姑のバトルはあちこちで繰り広げられているが、富裕層の間ではちょっと違った形での戦いが繰り広げられているようだ。ライターの高木希美氏が、高収入男性と結婚して港区の麻布界隈に住む“麻布妻”たちの「義母と娘のマウンティング」をリポートする。
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最近仲良くなった、ママ友の沙織さん(仮名)。一緒にカフェに入ると、いきなり義理のお母さんの愚痴を言い始めました。相当イライラしているようです。
「うちの娘、たしかに話し始めるのも遅いし、好き嫌いも多いから離乳食も偏りがちで……けど、他の子と比べてもしょうがないから、私は私の子育てを楽しんでたんです。でも、さっきまで義理の母がうちに来てて、しばらく私と娘のやりとりを見て、なんて言ったと思う?
『うちの息子は小さい頃から好き嫌いなくて、明るくハキハキ話していたから本当に可愛がられてみんなに愛されていた。孫は息子に顔が似ていて可愛いけど、偏食だしあんまり話さないし、いったい誰に似たのかしら? 沙織さん小さい頃こうだったのかしら?』だって!!」
沙織さんの夫は3人兄弟で、慶應大学卒業の大手商社マン。義母も港区・広尾駅近くに住んでいる“麻布妻”で、息子である沙織さんの夫を育てることに“成功”したと自信満々のようなのです。
「それから始まって、義母は『私は3人育ててる』って連呼して、トイレトレーニングの時期まで指示してきて、先輩ママぶるの!」
一緒に聞いていたママ友・真麻さんも私も思わず「うざいね……」と声に出てしまいました。沙織さんの愚痴は止まりません。
「義母って、『うちは息子3人、みんな国立や早慶出て、みんな一流企業に入って、すごいわねえって近所のお友達に褒められるのよ?』とか息子マウンティングしてくるの!」
真麻さんも共感するものがあったようで、「わかる! うちの義母は友達の孫と比べて、『習い事もっとやったら? 周りのお孫ちゃんは英語もバレエもやってる』とか孫比べしてくる」と話していました。
ですが、それまで黙って聞いていたマウンティングママの晴香さん(夫は外資系金融勤務)が口を開きました。