保険治療で医療費の自己負担額が一定限度を超えた場合、超えた金額が支給される“高額療養費制度”。限度額は年齢や収入で異なるが、70歳未満で年収約370万~約770万円の一般的な収入の人は、例えば医療費が月額100万円かかった場合も実質的な自己負担額は月8万~9万円となる。
さらに加えて、それを利用する上で“知っておきたい制度”がある。
治療費の「払い戻し」まで待てない場合は?
高額療養費制度は、申請すれば一度支払った医療費が後に戻ってくるという制度だ。還付までには、医療機関の領収書の審査などを経るため、3か月ほどかかり、急な出費に対応できないことがある。
“最初から負担分だけ支払いたい”という人には「限度額適用認定証」がある。FP(ファイナンシャルプランナー)の黒田尚子氏が解説する。
「入院前に治療費が高額になることが分かっている場合、あらかじめ『認定証』を申請しておけば、窓口での支払いは自己負担上限額のみになる。一度支払った上で還付を受ける必要がなくなる制度です」