その保険、本当に加入する必要があるのだろうか? 保険に関する多数の著書がある「保険相談室」代表の後田亨さんが、保険に関するさまざまな悩み相談に回答する。今回は、がん保険への加入の必要性についての相談だ。
【相談者】藤崎さん(大阪府在住)夫40才・妻42才・子供1人(高校生)
「ウチは夫の両親ががんで亡くなっているので、“がん家系”だと思うんです。がんって、治療費は何百万円もかかるし、仕事もできなくなりますよね。心配だから、がん保険に加入しました」
【回答】
CMでよく耳にする「日本人の2人に1人はがんになる」という言葉。それでは、夫婦のどちらかはがんになるってことか…そう心配になるのも当然だ。だが、この数字には不安を煽るための巧妙なマジックが隠されている。
国立がん研究センターによると、女性が60才までにがんと診断される確率はわずか11%で、80才になっても29%と低い。男性の場合も、60才まではたったの7%で、80才になってようやく41%になる。2人に1人の5割に達するのは、男女ともに80才を超えて亡くなるまでの期間だ。