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がん保険と治療費の関係 預貯金が100万円あれば加入は不要か

 90才ともなれば、がんの痛みを和らげる緩和ケアを選択した場合でも、75才以上の「後期高齢者」の医療費は1割負担で済むため大きな負担にはならないはずだ。そもそも、90才でがんになって手術や抗がん剤などの積極的な治療をする人がどれぐらいいるだろうか。

 70代、80代でがんになったら、と不安な人も心配無用。そもそも、前述の高額療養費制度はがん治療にも適用可能。手術や抗がん剤、放射線など保険適用の治療なら、負担の上限額は決まっているのだ。

「保険会社のアンケート調査や医師の話によると、がん治療は100万円程度で済むのが一般的だと思われます。数百万円超のお金がかかるのは、民間療法なども含む保険適用外の治療を選択した場合です」(後田さん)

 がん保健には、健康保険が適用されない「先進医療」に対応する特約を付加できる事が多い。技術料が全額自己負担となるから、「特約で備えておけばもしもの時に安心」と思いがちだが、これも疑問だという。後田さんが話す。

「まず、先進医療は『最も進んだ医療』ではありません。むしろ実験医療と呼ぶほうがふさわしい、実効性が証明されていない治療なのです。実際、小児がんなどで一部、有効と認められた治療は、すでに先進医療から外れて健康保険が効くようになっています」

 最近は、がん免疫薬の「オプジーボ」も保険適用された。先進医療を目当てにがん保険を検討することはないのだ。

「他にも、乳がんや子宮頸がんなど、女性特有のがんの保障を手厚くした『レディースがん保険』も保険会社が力を入れて販売していますが、女性特有の病気だからといって、高額療養費制度が使えないということはありません」(後田さん)

※女性セブン2019年1月3・10日号

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