12月25日の日経平均株価は5日続落安で、1000円を超える大幅下落となった。師走相場は例年、「掉尾(とうび)の一振」と呼ばれる「年末の株高」が起こりやすい。ところが今年は、個人投資家の期待を打ち砕くような阿鼻叫喚の暴落相場の様相となっている。
こんな急落相場のとき、投資で億単位の利益を獲得している「億り人」たちはどのような投資行動を取っているのか。運用総額約3億円の個人投資家、かぶ1000さんに話を聞いた。
【1】レバレッジは最小限に抑える
「リーマン・ショックの再来のように言われますが、サブプライム・ローンという問題があった当時と、今の株価下落はまったく状況が異なります。たしかに米国株は値上がりが大きかったので調整が長引くと思います。しかし、『GAFA』や『FAANG』と呼ばれるアマゾンやグーグルなどの世界的企業がダメになるのかというと、それは考えにくい。今までがやや期待が先行しすぎただけだと思います」(かぶ1000さん、以下同)
また、日本市場についてもそれほど悲観的には見ていない。
「商いが少ないところに外国人投資家が売ってきて、ボラティリティ(変動率)の高い相場になっています。また、企業業績の先行きは不透明感が出てきましたが、日経平均のPBR(株価純資産倍率)は現在1倍割れ。さすがにこれは行き過ぎに思えます。株価的に見て割高ではないので、落ち着けば日経平均2万円を回復してくると思います。ただ、レバレッジをかけて自分の資産以上に投資をしていると、このような急落局面に耐えられず損切りしなければなりません。過度なレバレッジは禁物です」
【2】一度に一気に買わない
「10月の2万4000円台から、日経平均は5000円も下落しました。その間、何度も『安いから買いだ』と思ったかもしれませんが、底かどうかは後でわかるもの。一度に一気に買ってしまっては、今回のような急落があると耐えられなくなってしまうので、このような大幅に下がった日に買う余裕を持てるよう、何度かに分けて買っていきたいですね」
投資の基本ではあるが、投資タイミングに関しても「分散投資」を心掛けたい。