今後、日本でも「格差社会」の進行が確実視されている。収入の伸びが期待できない中で、家計を防衛するにはどうすればよいのか。経済アナリスト・森永卓郎氏は「今こそ、超節約モードで生活を防衛していく必要がある」という。以下、森永氏が解説する。
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昨年冬のボーナス支給額は、東証1部企業の平均が約73万円、中小企業を含めた全社平均が約37万円、国家公務員の平均が約72万となっています。勝ち組企業の社員と国家公務員だけが多額のボーナスをもらい、それ以外の一般庶民とは2倍以上の格差が出ているのです。
年金支給額はマクロ経済スライド(年金受給額を賃金や物価上昇分よりも低く抑える仕組み)のスタートで、もはや増える期待は持てません。一方で、社会保険料の負担は重くなっていく。その結果、さらに格差が拡大するとともに、多くの国民は格差社会の下流に落ちる可能性が高いのです。
その中で生き残るためには、まずは超節約モードで生活を防衛していく必要があります。
今後は物価が上がることが想定されます。そもそも政府・日銀がデフレ脱却を掲げてインフレ政策を行なっている上に、もし中東で戦争が勃発すればひどいインフレが日本を襲うことは避けられません。後から振り返れば、現在の物価水準は非常に低かったという可能性が高いのです。