今年10月に消費税が10%に引き上げられるが、老後マネーを守るための重要なポイントが「生活のダウンサイジング」だろう。子供たちが巣立って久しく、広い家に夫婦2人。居間と寝室くらいしか使わないが、老朽化して部屋数が多いと補修費や光熱費もバカにならない。そんな時、リフォームか住み替えかの選択がある。いずれも消費増税の影響を受ける。
まずリフォーム工事費で注意が必要なのは、増税前に契約しても完成(引き渡し)が10月以降になれば消費税10%がかかることだ。ただし、増税半年前の「3月末」までに契約をしていれば、完成が10月以降でも8%の税率が適用される経過措置がある。そのため、前回の増税時には半年以上前から駆け込みの工事申し込みが殺到した。だが、住宅ジャーナリストの山下和之氏は、「すぐ決めようと焦る必要はない」と指摘する。
「住宅メーカーやリフォーム業者に聞いても、現在は駆け込みでの相談件数はあまり増えていないといいます。
特にリフォームの場合、業者の選定は慎重に行なう必要があります。値段設定や作業の質が、業者によって違いが大きいからです。金額も新築工事ほど大きくありませんから、税金が上がる前に急いで決めるより、じっくりと検討したほうがいいでしょう」