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料理の味が変わる、字が汚くなる… 徐々に出てきた母の認知症サイン

冷蔵庫を開けたら、一面“茄子の海”だったことも

冷蔵庫を開けたら、一面“茄子の海”だったことも

 今から7年前、母・ユリコさんが60歳の時に「若年性認知症」と診断された芸人・ハナさん(40歳・仮名)。日常生活を送るなかで、言動がいつもと違うという周囲の“気づき”が認知症の早期発見につながるというが、「若年性」の場合、まさか認知症とは思わないこともあり、困難なのが実状だ。

シリーズ「母が若年性認知症に…」第3回。母の世話のために介護離職し、奮闘してきたハナさんが、「今から思えば、あの時の母はヘンだった」という兆候の1つ、「キッチンでの異変」を振り返る。

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 同じものをたくさん買い込んだり、しまい込んだりするのは、よく知られる認知症の症状だ。認知症と診断される数年前、ある時からユリコさんは同じ野菜を買ってきては冷蔵庫に溜め込むようになった。一時期は大量の茄子が冷蔵庫内を埋め尽くし、野菜室の底のほうではその一部が腐っていた。ハナさんが調理したり、処分したりして一生懸命消費しても、ユリコさんはまた茄子を買ってきてしまうのだった。

 いつしか、結構な数のコバエが家中を飛び回るようになった。しばらくは家族の誰も発生源を突き止められなかったが、ハナさんが偶然ユリコさんの部屋に入ったとき、椅子の下に置かれたダンボールに気がついた。開けると、そこには腐った大量の「かぼす」があり、コバエもそこから湧いていた。長崎の実家から届いたものをユリコさんが箱のまま置いて、そのまま忘れてしまっていたのだ。

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