加えて「老人ホームとのトラブル」もある。受取人欄の名前と違う相続人が受け取りに行った場合、老人ホーム側から「あなたの名前は書かれていない。相続の手続きをしていただかないと返還できません」と拒否されるケースだ。入居者が本人の了解を得ずに受取人を指名していた場合、受取人との連絡がつかないことも起きうるが、ホーム側に受取人を(費用をかけてまで)探して返還する義務はない。
「そうしたトラブルを避けるには、入居者が亡くなる前に家族で話し合い、例えば“返還金は長男が受け取る”といった遺言書を作成しておくことが大事です。後から入居一時金を分けるために遺産分割協議をすると、相続人全員の同意を集めなければいけませんから、非常に手間と時間がかかる」(同前)
※週刊ポスト2019年1月18・25日号