中国富裕層の資産額はアメリカ世帯と比べてもそれほど遜色のない水準となってきた。広発銀行連合西南財経大学が発表した「2018中国都市家庭財富健康報告」によれば、中国都市部世帯のトップ20%における世帯当たり資産額は7272万円(454万5000元、1元=16円で計算、以下同様、2017年)で、アメリカの世帯当たり資産額8480万円(2016年)と比べ、14%ほど少ないだけとなっている。
過去6年の年平均伸び率を比べると、中国都市部トップ20%が4.3%の伸びであるのに対してアメリカは3.1%で、中国の方が1.2ポイント高く、年々その差を詰めている。
IMF統計によると、2017年における中国の経済規模は世界第2位だが、一人当たりGDPでは8643ドルで76位に過ぎない。30位の韓国(29938ドル)、25位の日本(38449ドル)、16位の香港(46080ドル)、9位のシンガポール(57713ドル)、8位のアメリカ(59792ドル)などと比べると、大きな差があることがわかる。
今回の調査は全国7大地区から23都市を選び出し、調査した結果である。残念ながらその具体的な都市名までは明らかにされていないが、例えば、2017年の非農村部の人口は8億1347万人いる。カバレッジが違うので、大雑把なことしか言えないが、世界でも有数の富裕層が中国にいるということは間違いないだろう。
ちなみに、クレディスイスの調査によれば、2017年における中国の100万ドル以上の資産を持つ富裕層の数は350万人に達しており、既に日本を抜いて世界第2位となっている。
もっとも、興味深いのは所得や資産構成である。