しかし、手に入れた利便性とは反対に、デメリットを感じることもあるようだ。致命的なものとして、Aさんは「スマホやPCが壊れた時や通信障害の時、紙に情報を残していないとお手上げになる」ことを挙げ、こまめにバックアップをとることにしているのだとか。また、意外なデメリットについても明かしてくれた。
「私はメモもスマホでとるのですが、仕事の打合せのときに、スマホ1台だけを持って行くと、相手の世代によっては、まるで私が“やる気がない人”、“仕事中に遊んでいる人”風にみられているのではないかと……(笑)。印象の問題ですが、そういう時に分厚い手帳やノートを机の上に出しているだけで、“仕事がデキる人”“やる気のある人”に見えている気がします」(Aさん)
一方で、デジタルから紙での管理へと戻ったのは、都内在住の男性・Bさん(20代)だ。
「紙の手帳だと映画の半券や雑誌の切り抜き、写真なんかを貼ったりできる喜びがあるんです。もともと紙の質感が好きだったし、手書きだと頭に残るのもいい。関連するボールペンや万年筆、ポストイットなどツールを選ぶ喜びもあります」
紙へのこだわりを語るBさんは、実はスマホで管理するのに疲れていたという。脱デジタルの経緯をこう振り返る。
「前はスマホでスケジュール管理をしていたけれど、何でもスマホという状態から距離を置きたかった。ついついSNSやソシャゲなど余計なことをしてしまうクセが嫌で……。ひとまず、スケジュール管理を切り離したという形です」(Bさん)
とはいえ、紙のみの運用で不便はないのだろうか。
「確かにデジタル管理はアラート機能など、便利な機能はたくさんあります。でも、スケジュールはその日の予定や場所を確認できれば十分ともいえる。もっと言えば、デジタルは“ToDo”的な意味合いが強い印象で、いつも追われている感じがして、息がつまりました」(Bさん)
一長一短あるスケジュール管理。いろんな方法を経験し、自分に合った方法を見つけたい。