投資情報会社・フィスコが、株式市場の1月21日~1月25日の動きを振り返りつつ、1月28日~2月1日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇した。東証1部の出来高は17日から24日にかけて前年の大納会水準を下回る11億株台から10億株台に低迷したものの、日経平均は3週連続高となった。週初21日の日経平均は前週末18日のNYダウが4日続伸し、米中貿易交渉の進展期待が高まったことに加え、1ドル109円台後半まで円安進行を好感して続伸のスタートとなった。一時、前週末比226.61円高の20892.68円まで上昇する場面があった。
21日の米国市場が休場だったことを受けて手掛かり難となった22日の東京株式市場は利益確定売りが先行して、日経平均は3日ぶりに反落した。国際通貨基金(IMF)が2019年世界経済の成長見通しを成長率で従来予想の年3.7%から同3.5%に下方修正し、連休明けのNYダウが前週末比301.87ドル安と5営業日ぶりに下げに転じ、23日の日経平均も小幅続落となった。日銀は金融緩和策の現状維持を決めたが、市場全体としての反応は限られた。
米IBM等主要企業の好決算が相次ぎ23日のNYダウは反発に転じたが、24日の日経平均は3日続落となった。米中通商協議における新たな進展が見られず、買い手掛かり難の中で利益確定売りに押された。ただ、日経平均20500円割れ水準での押し目買い意欲は強く、下げは限定的で大引けでは20500円台をキープした。25日の日経平均は先物主導で4日ぶりに反発した。時間外取引での米国株価指数の上昇や英民主統一党がメイ首相の離脱案を支持するとの一部報道から、議会承認への期待が広がったことが好感された。後場寄り後に前日比269.68円高の20844.31円まで上昇したものの、その後は上値が重く伸び悩んだ。TOPIXは続伸、マザーズ指数は3日続伸となった。
今週の日経平均は上値をうかがう展開が期待できそうだ。FOMC、パウエルFRB議長会見、中国国家統計局製造業PMI、米1月雇用統計と金融・経済イベントが集中することから神経質な展開が見込まれる。米中貿易摩擦の問題も好悪材料か交錯する中で出口はまだ見えず、世界経済への影響も警戒されている。
しかし、ここにきて日経平均、NYダウともに打たれ強さが増してきている。日本電産<6594>や米インテルの業績低迷に対して、株価は悪材料出尽くしのアク抜け感を示す動きを日米ともに示し始めた。東京市場の場合は過度な為替相場の円高が進行しない限り下値耐性を強めている。米予算案に絡んだ政府機関閉鎖の問題解決に前進が見られればNYダウに引き上げられる形で、取引時間中では昨年12月19日(終値では同18日)以来となる日経平均の21000円台回復への挑戦が期待される。